最近よく聞く境界例とは? 境界性人格障害について徹底解説!

最近よく聞く境界例とは? 境界性人格障害について徹底解説!

境界例(ボーダー)という言葉を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。正式には境界性人格障害(パーソナリティ障害)と言って、日常生活に支障が出る性格のことを指します。





 

そもそも人格障害(パーソナリティ障害)とは?

人格障害とは、偏った考えや行動パターンのせいで日常生活に支障が出ている状態のことです。普段の生活に問題はないけれどその傾向がある場合は「障害」をはぶいて境界性パーソナリティーなどと呼びます。

しかし普通に生きることが難しい、生きづらさを抱えている場合は「障害」がつくことになり、治療の対象となります。

パターンにより人格障害は10項目に分類され、自己愛性パーソナリティー障害や反社会性パーソナリティー障害などは耳にしたことがある人も多いかもしれません。

「十七歳のカルテ」で有名になったウィノナ・ライダーさんは境界例ですが、だからこそ彼女の壊れそうな魅力があると言えます。

 

境界性パーソナリティー障害の「境界」とは?

境目という意味を意味を持っていますが、何の境目なのかわからないという声はよく耳にします。

ズバリ「精神病と神経症の境界という意味の境界」です。

1950年代のアメリカにおいて精神科医のカーンバーグが境界性パーソナリティー障害を定義し、今でもその呼び方が残っています。

「境界例」「ボーダーライン」という呼び方もありますが、これらは同じものです。

 

境界例とはどういう人たちのこと?

DSM-Ⅳ-TR 精神疾患の分類と診断の手引きによりますと、

1.見捨てられることが怖く、それを避けようとするためになりふり構わない努力をする。

2.対人関係が「あの人は私の理想の人だ」と「あの人は最低のクズだ」の両極端で揺れ動く。

3.「自分」というものがとにかく不安定。

4.浪費、性行為、薬の乱用、無謀な運転、暴飲暴食といった自分を傷つける可能性のあるものを多く行う。

5.自殺のそぶりや自殺するぞといった脅し、自殺未遂を繰り返す。

6.感情がとにかく不安定。同じ感情が2~3日持続することがない。

7.常に空虚感を感じている。

8.とてつもない怒りの感情によって自分を制御できなくなる。

9.妄想が激しい。

 

この9つのうち、5つ以上が当てはまったら境界例であると診断されます。

境界例の人の考え方として「最高」と「最低」が揺れ動き、中間がないということが挙げられます。なぜこのような不安定な感情に悩まされるのかというと、愛情に飢えていること、見捨てられ恐怖、の二つがあります。

境界例の原因

一言で言うと、「親へのこだわり」です。

親に愛されて、過保護でもなく放任主義でもなく適切な距離感で育った人の場合は、年を追うごとに親離れが進み、自立することができます。

しかし境界例の人の場合は、親から適切な愛情や教育、保護などが与えられていません。そのため、子どもはうまく親を卒業することができず、いつまで経っても親を求め続けるようになります。

例えば、死別や離婚などで片親だった場合は両親のうちどちらかが欠けていますので境界例になるケースが多く報告されています、

境界例の人は子供時代、手のかからないいい子であることが多いです。親が「あの子は一人でも大丈夫」と判断した場合、愛情を注ぐのをやめてしまい、それがあとあと成人になって後を引くことになります。

 

 

どういう人が境界例になる?

アメリカでの報告によると全人口の2%、精神科にかかっている10%ほどが境界例であると指摘されており、日本もその水準に近づきつつあります、

性別は女性が男性の3倍で、なぜ女性の方が多いのかは完全にはわかっていませんが、女性の方が成長が早いことが可能性として挙げられています。

女性の方が精神的な自立が早い傾向があり、親が手をかけなくなってしまうからです。

また、境界例は年々増加傾向にありますが、その理由として物質的に豊かになったことが考えられています。便利な電化製品が世の中に出回り、家事労働が楽になりましたが、その一方で母親が家事にかける時間が少なくなりました。親も自分の時間がほしく、子育てばかりにかかりっきりにはなれません。子供を預けて親は遊びに行くといったケースが増えると子供は愛情に飢えるようになります。

 

境界例の人とはどう接すればいい?

「変わらないこと」。これです。

最高と最低を行き来し、感情が不安定な彼ら、彼女らは周囲を振り回してしまいがちです。「構ってくれなかったら自殺する」と言い出したと思えば、翌日にはケロッとした顔でライブに出かけることもしばしば。

そのような時に、境界例の人の感情に合わせて対応を変えていたら疲れてしまいます。その結果、「この人とは縁を切ろう」と考えることになってしまうでしょう。そして境界例の人は「見捨てられた」と心の傷を深くしてしまいます。

これでは境界例の人にとっても相手する人にとっても良くありません。

そうではなく、最高の時も最低の時も、淡々とあっさりした態度で接することを心がけること。これが寛容です。

「○○してくれないと自殺する」と電話で言われた場合は「今はそっちには行けないけど落ち着いて。とりあえず好きな音楽でも聴いてゆっくりしなよ」と声をかけてやる。そして通常の状態に戻ったときは「気分が戻ったようだね、良かった」と連絡してやる。

こうしてつかず離れずの距離感を常に保つことで、境界例の人は「あ、どんなにひどい振る舞いをしてもこの人は自分を見捨てないんだ」と安心感を得ることができます。それが境界例の治療にもつながります。