自己愛性人格障害の特徴は? 身近に存在する「特別な存在」

自分が偉いと勘違いしているとしか思えない人や、口を開けば自慢話という人は身の回りにいませんか?

その人は実は自己愛性人格障害かもしれません。

とにかく称賛を欲しがる自己愛性人格障害。実際に優秀な人であることも多い(プライドだけ肥大化して無能なこともある)のですが、周囲からすると付き合いづらい人と思われていることも少なくありません。

また、自分自身でおかしい部分を自覚していて、自分は自己愛性人格障害なのではと思っている人もいるでしょう。

あなたや周囲の人が自己愛性人格障害かもしれません。詳しく見ていきましょう。





自己愛性人格障害とは

サルバトール・ダリやココ・シャネルが自己愛性人格障害だったと言われています。

一言で言うなら、自分を特別だと思っている人です。人は誰しもが特別だと思っているものですが、自己愛性人格障害はその傾向が特に強いです。

とにかく注目されることが好きなため、見た目が華やかなことも多く、目を引きます。有名人との関係をほのめかすこともよくあり、そういった人とコネクションを作るチャンスがあれば積極的に近づいていき、「有名人と仲が良い」というステータスを得ようとします。

自分を称賛してくれる人を求めており、批判されることに弱いです。自分は完璧であり欠点のない存在であるという思いこみがあるため。非難されると怒りだすことが多いのが特徴。自分の欠点を受け入れることができなくて、「あいつの見る目がないだけだ」と責任転嫁することもしばしばあります。

さて、自己愛性人格障害の原因とはなんでしょうか。それは幼い頃の体験に原因があります。

一つは、愛情のアンバランスさ。父親は仕事にばかり専念していて子供には見向きもしない。つまり愛情不足である一方で、母親は子どもを溺愛しているといった愛情のいびつさです。

サルバトール・ダリも母親から溺愛され、叱られることがなかったと言われています。

もう一つの自己愛性人格障害の原因は、親が亡くなってしまったり離婚してしまったり、何らかの理由によって愛情が剥奪されたことです。こうなると子供はさびしさや傷を他人からの称賛で埋めようとします。それが自己愛性人格障害に繋がってきます。

 

自己愛性人格障害のチェックリスト(診断)

DSM-Ⅳ-TR(アメリカの精神医学会の基準)によると、以下の項目のうち、5つ以上当てはまれば自己愛性人格障害の可能性が強いとされています。

①自分は重要人物であるという感覚が強い(業績や才能を誇張したりする)。

②自分自身の成功、権力、才能、美しさなどが絡んだ空想をよくする。

③自分は特別であり、地位の高い人など一部の人にしか理解されないと思いこんでいる。

④過剰な称賛を求める。

⑤他人は自分に従って当然だと考えている。

⑥対人関係において、他の人を不当に利用する。自分自身の目的を達成するために、騙したり裏切ったりする。

⑦他人の気持ちに鈍感であり、共感能力が欠如している。

⑧他人に嫉妬することがとても多い。もしくは自分が嫉妬の対象であると信じている。

⑨尊大で傲慢な行動、態度を取る。

このうちの5つ以上に当てはまった場合は、自己愛性人格障害の可能性が高いのですが、正確な診断はきちんと医師の元で受けなければ確定しません。

 

自己愛性人格障害との接し方

自己愛性人格障害との接し方は、相手を否定せずにとにかくほめることです。本人が望んでいるように称賛を与えることが重要となります。

そうすれば本人は「自分のすばらしさがわかる人物」としてあなたを認識するようになり、特別扱いしてくれるようになります。

そうなると、本来ならば禁句であった「こうした方がいいんじゃない?」といった忠告にも耳を貸してくれるようになります。特別な人からの進言ですから聞く気になるというわけです。

自己愛性人格障害の人に動いてもらいたい場合は、功名心や成功心、競争心をつつくことが大事です。「〇〇みたいなことができたらすごいよね」とか「〇〇に勝てる?」といったように言葉をかけるのです。

また、自己愛性人格障害の人のマネージャー的な存在になるのも一つの手です。自己愛性人格障害はとにかく華やかなことをしたがるため、家事や雑務といった地味な仕事を嫌います。

自己愛性人格障害の人自身は優秀であることが多いため、雑務などをこなしてくれるマネージャーがいれば本人の欠点を補うと同時に、美点を生かすことにもつながります。

 

終わりに

自己愛性人格障害は「自分はこんなところにいるべき存在ではない」と思いこんでいたり、厄介な存在ではありますが、その一方で能力が高いことも否定できません。

自己愛性人格障害の人がもっとも苦手とすることは、謙虚に他人の言葉に耳を貸すことです。ですが、上にも書いてあるとおり自己愛性人格障害は優秀であることが多いので、自分の欠点の指摘を受け入れることができたら能力を更に伸ばすこととなり、成功を手にすることもあります。

社会的に成功を収めた人は変人や異常者が多いとよく聞きます。普通ではない自己愛性人格障害は変人と言われるような存在なので、大きなことを成し遂げる可能性のある人物であるとプラスの評価をするようにすれば、自己愛性人格障害の人にも、周囲の人にも良いのではないでしょうか。

 

参考文献:岡田尊司「パーソナリティ障害」