演技性人格障害(演技性パーソナリティ障害)の診断は?

世の中にはいろいろな性格があります。真面目、優しい、丁寧、世話焼き、マメ、穏やかなどなど。いい性格ならばいいのですが、悪い性格だと周囲の人は迷惑することもしばしばあります。

性格が歪み過ぎて日常生活に支障が出る人のことを人格障害(パーソナリティ障害)と呼びます。

人格障害の本人も「自分はなんでこんな性格なんだろう?」と苦しんでいるケースもよくあります。自分自身が嫌いという人は案外多いですからね。

性格を治せばいいと言えば簡単なのですが、性格はそう簡単に変わるものではありません。そうではなく、自分の行動にちょっと補正をかけること。これが大事です。

例えば、優柔不断な人であれば、可能な限り即決するように自分の行動に補正をかける。あるいは、ヒステリーな人であれば、感情が高ぶった時は人と接しないようにするなど。

そうやって自分の性格とうまく付き合っていくことが人生において大事なのではないでしょうか。

そのためには、まず自分の性格を把握する必要があります。この記事では、嘘をついたり自分を傷つけたりしてでも注目を集めたいという、演技性人格障害(演技性パーソナリティ障害)について見ていきます。





演技性人格障害(パーソナリティ障害)ってなに?

一言で言うと、「自分が注目されていないと気が済まない人」です。

みんなに注目されていないと自分が無価値になってしまうと心のどこかで思っていて、自分の存在を保つために注意を引き付ける。

そのためには自分を偽ることも平気でやります。もしも本来の自分の性格が真面目だったとしても、注目を受けるためなら不真面目になったり、乱暴になったり、わがままになったりします。

つまり、「自分」というものよりも他人からの注目が何よりも大事なのです。そのために自分をころころと変えるために、演技性という名称がつけられました。

演技というと演劇のイメージになります。しかし演技性人格障害は演劇どころでは済まない領域まで足を踏み入れます。

「自分は大富豪の生まれだ」などと嘘をついたり、自殺未遂をして気を引いたり、犯罪に手を染めることだってあります。薬物乱用というケースも見られます。

重病を装ったり、犯罪に巻き込まれたと言ったり、簡単にバレてしまうような嘘もつきます。本人にとっては、嘘がばれることよりも、気を引くことの方が大事なのです。

あなたの身の回りにもこういう傾向のある人がいるんのではないでしょうか。私自身も「個の人は演技性人格障害だろうなあ」と思う人と何人か関りを持ったことがあります。

 

自分やあの人がそうかも? 演技性人格障害の診断は?

以下の8つの項目のうち、5つ以上当てはまる人は演技性人格障害の可能性が高いです。

1)自分が注目の的になっていない状況は楽しくない。

2)性的な誘いや挑発的な行動で他者との交流をすることが多い。

3)自分の感情がころころ変わる。

4)気を引くために、外見を変える。

5)印象的だけれど内容がない話し方をする(例えばニュースの見出しみたいだったり)

6)自分が演劇の舞台に立っているかのような態度を取ることがある。

7)他人や環境の変化を受けやすい。

8)実際にはそれほど仲良くなくても、現実以上に仲良しだと思いこむ。

 

いかがだったでしょうか。これはDSM-Ⅳ(アメリカ精神医学会)による分類です。

上の項目のうち5つ以上当てはまる人が演技性人格障害である可能性が高いですが、100%そうだとはいえません。精神科の医師によって正しい診断を受けることが大事です。

 

演技性人格障害の原因は?

親子関係や父母といった人間関係は性的なニュアンスのないことが普通です。しかし、父親や母親が親という立場以上に「男」「女」を重視していた場合、子どもは演技性人格障害になりやすいという報告があります。

不倫や異性問題などで母親が父親の愛情を得るために一生懸命になっていた場合、子どももその影響を受けます。

母親との関係に問題があった場合に、子どもが演技性人格障害になる可能性が高いです。しかし100%というわけではなく、演技性人格障害にならないこともありますし、母親ではなく父親との関係に問題があることもあります。

基本的には満たされることのない愛情飢餓を抱えて育った人が演技性人格障害になりやすいです。

 

演技性人格障害の人との接し方は?

同僚や上司、親戚が演技性人格障害の場合、縁を切ろうにも切れません。うまく付き合っていくことが大切です。

基本的には、相手の仮面を剥がないことが重要です。みえみえの嘘をついたり、気を引くために演技をしたり。そういう時、「騙されたふり」をすることが大事です。

嘘を暴いたところで演技性人格障害の人が素直に認めて謝罪するわけではありません。嘘を嘘でごまかすために面倒なことになったり、こちらを攻撃したきたりもしばしばあります。

また、演技性人格障害の人に深入りしすぎないことも心掛ける必要があります。演技性人格障害の人が被害者になりきることも多く、お金を取られたとか、大きな病気にかかったとか、そういったウソにつられて行動すると痛い目を見ることになります。

相手はさびしいから、愛情に飢えているからこのような行動を取るのだと大きな心を持ち、相手を責めたりしないことが大事です。

参考文献:岡田尊司「パーソナリティ障害」